ニッコリと向けられた笑顔に 晴人は慌ててカウンターの椅子から立ち上がる。 「こ、こんにちは香さん。 こちらこそ、わざわざ来ていただいてすみません」 真っ赤になってうつむく晴人に香がクスッと小さく笑う。 「行きましょうか」 香の明るい声に促されるまま 扉の前まで歩いた晴人が不意に振り返る。 「いってらっしゃい、晴人君」 竜二の優しい笑顔に勇気づけられ 晴人も照れくさそうに笑顔を返した。 「行ってきます」 *