「ハルくーん! どこにいるの、ハル君!!」 梨香の必死な呼びかけが誰もいない路地裏に響く。 「大通りの方を少し見てきましたが それらしい姿はありませんでした」 息を切らせて駆け寄ってきた竜二の言葉に 梨香は全身の力が抜けたようにその場にへたり込む。 「…ハル君……」 両手で顔を覆って小さく震える梨香の肩に 竜二は躊躇いがちに手を伸ばす。 そっと触れた彼女の体は、思っていたよりもずっと華奢だった。