今思えば、この頃から この人のことが好きだったのだろう。 『奥さんはいいんですか?』 「まぁな、やましいことなんてないし 何せ旅行中だからな」 『はぁ…』 「おっと、藤沢、その資料くれ。」 これだこれだ、と呟く彼。 「さんきゅーな、 仕事終わり、待ってろよ」 と、私の頭にポンポンッと手をのせ 資料倉庫から出ていく。