『今まで、ありがとうございました!

長谷部さん』


そうニコッと笑ってみせた。


「沙織…」


『長谷部さん、さようなら

また会社でお会いしましょう』


私はそう言って来た道を戻っていく。


背を向けた瞬間

我慢していた涙が溢れた。


弱いな…私。


「沙織…!!俺は…今でもお前を…」


康介さん、そういうのやめてください。

諦められなくなるじゃないですか。