私とメガネくんの秘密のレッスン



『……潤?
 ハッキリしたらどうなの。
 俺のなかで
 潤の顔に最低男のレッテルを
 貼り続けてる最中だよ?』



『いやいや、
 お前完全に早とちり。』



『何故さ?
 俺からすれば
 潤は未だに過去を引き摺った
 よわちゃんな野郎にしか見えない。』



『……好き勝手言いやがって。』



本当に嫌味なやつ。



『……俺は
 あいつの家庭教師、
 やめねぇよ。』



隼人が眉根を細めて俺を見る。
…どんだけ早とちりしてるんだよ。



『…その答えは俺が
 納得できるものなのかな?』



腕を組んで俺の前へ立ちはだかった。
まわりからすれば
俺と隼人が話してることは意外でしか
ないだろうから変に勘違いしてそうだな。


木の木陰に腰を下ろしていた俺は
隼人に向き合うために立ち上がる。



ゴクリ。
息を飲んで隼人の瞳を見つめた。



『……俺、
 鈴村彩乃のことが好きだ。』



ザアアァァァァァァーーー…



風が吹く。
春から夏に向かいつつあるのもあって
心地よいものだった。



『……"好き"?』



『あぁ。』



隼人の表情は崩れることはなく
俺を睨み続ける。

そして



『…その"好き"は彼女を
 知人としての"好き"?


 …それとも恋愛感情の"好き"?』



『…後者。』



正直普段ヘラヘラしてる
隼人に睨まれることは
どうも慣れないし不気味でしかない。



『お前完全に
 早とちりしてるから言うけど
 俺のなかであいつはもう終わってる。
 それこそ別れたときに。』



『……え、そうなの?』



あぁ、色んな意味で終わってる。



『それにたとえ今
 会ったとしてもどうも思わない。
 まぁ会いたくねぇけど。

 …それぐらい俺は
 鈴村彩乃にハマってる。』



『…"ハマってる"?』



首を傾げて理解不能そうに
俺を見る。

あーもう、
こいつもこいつで鈍いのか
イライラするな。



『~っだから!
 それぐらい俺は鈴村彩乃のことが
 "好き"だって言ってんだよ!
 二度も言わせんなよ!!』



『えっっ!
 そうなのぉ?!


 …ていうのは冗談で
 そんなことわかってるよ~っ!』



『ハァ?!』



『ふふふ、
 本当に潤ったら可愛いなあ。

 でも良かった良かった。
 潤のこと軽蔑しないで済んだ~!』



『…いっぺん地獄に落ちろ。』



『潤ったら
 天の邪鬼なんだからー!』



……………
…………………
………………………





回想終了。