だからこいつに見せてやることにした。
"白石瞬"ではなくて"白石潤"本人が
今目の前に居ることを
教えてやろうと思った。
「イケませんか?
僕がファンタジーを読むのは。」
驚いて唖然とした顔が見てみたい。
「え……」
俺はワックスで遊ばせた髪の毛を
ぐしゃっと手くしで元に戻し、
いつものメガネを装着。
うん、完璧だ。
そして鈴村彩乃本人はと言うと…
「え?!」
目をまん丸くさせて、
驚愕…とも言える表情で俺を見ている。
ふん、
いい気味だ。
「し、白石くん?!」
"鈴村彩乃"。
お前らが俺にどんな期待をしたか
知らねぇけど……………
「なんですか?
全く…失礼な人ですね。
僕はファンタジーが好きなんですよ!」
勉強が出来ねぇお前に……
"びしばし"指導してやろうじゃねぇか。
side 白石潤 end