「明日の土曜日から…
家庭教師が来ることになった…。」
「は?!
明日?!」
家庭教師………?
鈴村彩乃の口から、
昨日兄貴と話していた用語が飛び込んできた。
「うえぇぇぇぇ…。
しかも平日も個人レッスンだって…。
最悪すぎるでしょ??」
「ぶふふっ。
彩乃ママやることえげつない!」
平日もレッスン?!
俺は本に挟んでおいた、
兄貴から貰ったシフト表を急いで広げた。
……うん、
確かに平日3日、プラス土曜日っていう
予定になっている。
「わっ、笑い事じゃないよ!
私からしたら面白くもない!」
チラリ。
鈴村彩乃を見ると、
泣きそうな顔で友達の琴乃っつう女に
ピッタリくっついている。
……まさかな?
同じ学校…
同じ学年…
そしてタイミングよく
鈴村彩乃の家庭教師…
…偶然だよな?
そう思いながら、
今度こそ本に集中。
だけど…


