「姉ちゃんが、可愛いからいけないんだよ……。」

「はい……?」

私は首を傾げた。

私が、可愛いだと!?

「見てみなよ、周り。男がチラチラと姉ちゃん見てるよ。」
例えば、あそこ。

と、チャラそうな男の人を指した。

すると、バチっと視線が合った。

男の人は、フイッと顔を背けた。

「た、偶々じゃない?」

「偶々じゃないし。姉ちゃんの浴衣姿すげぇ可愛いし。」

こ、こんなに、瑠希がお姉ちゃんを誉めてくれるなんて!

嬉しすぎる!

良い弟をもったなぁ……。