4月8日の朝。


ガタガタ!! …バダーン!!!!


「急げ急げー!!あと、10分だー!」


「ちょっと、夏姫。
入学式初日から遅刻しないでよね~。
お母さん、はずかしいわよー。」


「ごめんごめん」笑いながらいった。


「やばっ!!もういってくるー!!」


「気をつけてよ~、
いってらっしゃーい。」


「はいはいー、いってきまーす。」


(いそげいそげー!!)


かのかは猛ダッシュ。


(あと、3分で電車でちゃうよー!!)


「ドアが締まります。」


(待ってー!!もう少しー!!)


プシュー


(わぁぁぁぁー)


夏姫は、ドアの間をスルッと通り抜けた。


(ギリギリセーフ。
さっすがあたし!!中学校の時は、
学年でトップの速さだったもんねー。)


そうこうしているうちに、駅にとうちゃくしていた。


(ここからは、余裕余裕~♪)


ついに、学校の目の前にやって来た。


(今日から、通う学校だ。
よ~し、まずは最初の一歩を)


足をだし、はじめの一歩を踏もうとした。


その時、背中に大きな衝撃を感じた。


(きゃあー!!)


と、同時に前に倒れてしまった。


「いったぁー!!」


「ちょっとぉー、
誰よ、私のこと押した人!!」


「すみません、
怪我はありませんでしたか??」


男の子が声をかけてきた。


「えっ、もしかして、
あなたが私のこと押したの。」


「ごめんなさい。
わざと押すつもりはなかったんです。
本当にすみませんでした。」


「いえいえ別に、おきになさらず。」


「そうですか。では」


彼は、
軽く頭を下げパタパタと走っていった。


(めっちゃ、紳士的だったなぁ~。
あっ!!名前聞くの忘れちゃったよ。
今度あったら聞いてみよ)


自分のクラスを確認し、
教室に向かった夏姫は、驚いた。


(えっ!!さっきの男の子じゃん!!)


彼は私と同じクラスの私の隣の席だった。