「距離も近かったし。なに?あいつに言い寄られたわけ?嬉しそうにしてんじゃねーよ!」 聞いたこともないような低い声。 ヤキモチを妬かれるのは女子の憧れだっていうけど、本気で怒っている姿を見て、憧れの気持ちなんて一切起こらなかった。 ただ、怖くて。 そこまで怒らせてしまった自分自身の不甲斐なさに、悔しくて唇を噛み締めた。 それと同時に悲しくもなった。 なんで? そこまで怒らなくても……って。