外に広がる、ネオンが輝く世界で、私だけが取り残されたような、そんな感覚。



「魔法……解けちゃった」



明日からまた、同じ日常。

君は過去の人になる。



大丈夫、そう自分に言い聞かせて歩きだした、そのとき──



「──峰!」



背後で、君が私の名を呼んだ気がした。

だけど、振り返っちゃいけない気がして、聞こえないふりをして歩き続ける。

けど、



「おい!」



強く腕を掴まれ、観念して振り向いた刹那──



「……っ⁉︎」



重なった唇とシルエット。



──どうして。

だって君は、もう。



「……な、なんで……!」

「約束だったじゃん。別れるときのキス」

「そうだけど……」