「峰は?」

「んー、私も全然会ってないなぁ。仲良かった子とは偶に連絡とるけど」



高校時代、特別かっこいいってわけでもないけど、女子から人気があった隆太郎。

そんな隆太郎の彼女……ってだけで、敵視されたことも多々あったから、社会人になった今、連絡をとるのはほんの数人だけ。



「そっか」

「うん。去年の同窓会行かなかったから、余計」

「確かにいなかったよな。用事?」

「……うん、まぁ」



隆太郎に合わせる顔がなかった、っていうのが本当。

まだ笑って話せる自信がなかったから。



「……」

「……」



今もなんか、ぎこちないね。

あの頃の私達が嘘みたいだ。



「お待たせしました、スクリュードライバーでございます」



差し出されたグラスを受け取ると、隆太郎がぎょっとした顔になった。



「大丈夫よ、別に意識飛んだりしないと思うし」

「そういう問題じゃ……」

「今日は呑みたい気分なの。潰れたら置いて帰っていいからさ」



ね、と笑うと、隆太郎は少し困った顔になった。