触れ合った唇から伝わって。



遠く離れても。

もう二度と会うことはなくても。

私は君の夢を誰よりも応援してる。



『──番線の電車、間も無く発車いたします』



隆太郎は私を見ることなく、寂しそうに手を離して電車へと向かっていく。

この電車は隆太郎を乗せて、東京へと続く道を走っていくんだね。



──ピィー……

笛の音が鳴り響き、ドアが閉まる。



「……っ」



ゆっくりと動いていく電車の中に──隆太郎の泣き崩れる姿を見てしまった。



「りゅうたろ……っ!」



手を離したのは私。

なのに、ゆっくりと離れた手が一瞬にして冷え切った。