この決断をしたとき、傷付く覚悟はした筈じゃない。

──ううん、私には傷付く資格なんてないの。



「俺は……何があっても峰となら大丈夫って思ってた」

「……」

「2年、遠距離して……それで……いずれ永遠を誓えたらなって考えたこともあったよ」

「……っ」

「俺……もうお前以上なんて現れる気しねえや」



立ち上がった君の背中がすごく小さく見えて。

駄目、わかってるのに──



「……っ」



別れのキスは、涙の味がした。



「……さよなら、隆太郎」



またねじゃない。

私達に次はない。