吐き出して、少し楽になった。



「聞いてくれて、ありがとう」

「うん。またなんかあったら聞くから」



佐伯の優しさに、もう一度ありがとうを繰り返す。

佐伯は少し複雑そうな顔をしていた。





“またなんかあったら聞くから”、その言葉に、私は甘えた。

喧嘩しては、佐伯に弱音を吐いて。

そしてそれを、隆太郎は知っていた。



「最近、佐伯とやけに仲良くない?」



そう言われたのは、卒業を翌週に控えた日のこと。

私の部屋で映画を観ていたときだった。

疚しいことなんて何もないのに、心臓がどきりと跳ねる。



「……そう?」

「よく話してんじゃん」