君のココロの向こう側

扉を開けたらそこには、既に着替え終わった瑞穂がいた。



「あれ、瑞穂ももう上がりなの?」

「そうよ。遅番のシフトくらい、把握しててよね」

「あは……ごめんね」



繕えない表情を隠すことなく、ロッカーを開けた。

中には、お気に入りのワンピース。



「あっれ、随分気合い入ってんじゃん。それ、新作のワンピでしょ?」



う、鋭い。



「べ、別に!買ったばっかりだから着ようと思っただけ!」

「ふーん?その割には、靴もピカピカだったような」

「う、煩いなぁ!わかってんでしょ!」



もう、といじけると、ごめんごめんって謝られたけど……軽い。



「もうあの頃の私じゃないんだって、ちょっとだけでも思ってもらえたらって……ただの強がりよ」