君のココロの向こう側

そうだね。

きっと……ううん、絶対、現れない。



「峰」

「うぅ……」

「好きだよ」



もう一度この言葉を隆太郎に言ってもらうことが出来るなんて。

夢にまで見た幸せが、今ここに在る。



「私も……っ、好き……」



刹那、強い力で抱き寄せられた。

確かめるように、強く。

陽はもう完全に沈んでいて、街灯がぼんやりと私たちを照らしている。



「奥さんってどんな人って聞かれたとき答えたの……あれ、峰のことだから」

「……っ」



じんわりと心に幸せがにじむ。

夢みたいな、幻みたいな、現実。