君のココロの向こう側

でもふと考えた。

どうして隆太郎は見栄を張ったりなんか。



「……っ」



真っ直ぐに交わった視線が絡み合って、離れない。

その目が、あまりに澄んでいて。



「俺……あのときすっげえ後悔した。峰に別れを選ばせたのは俺だって。そんなこと考える必要もないくらい幸せに出来なかったって」

「そんな……!」

「東京に来て桜が散ってもずっと……峰の笑顔が頭から離れなかったよ」



あんまり優しく笑うから、涙が溢れてきた。

この先の言葉はもしかしたら、ずっと夢見てたものかもしれないなんて、都合いいけど考えちゃうよ。



「隆太郎も……ずっと、忘れずにいてくれたの……?」



私のことを、私と同じように。

別れたことを悔いて、忘れることなんて叶わずに。