君のココロの向こう側

隆太郎の口から飛び出たその言葉に、私は目を丸くする。

4年ぶりに再会したんだ、と続けて隆太郎。



「言い逃げなんかさせるか」



そう言った隆太郎の目は力強く、到底逃れられるものじゃなかった。

逃げ出したい、っていうのはもう諦めるしかなさそうだ。



「取り敢えずどっか座ろう。立って話してると目立つ」



大声で呼び止めた時点で十分もう目立ってるんだけどな、というのは言わないでおく。

隆太郎って昔からちょっとだけ変だよね。



傍にあったベンチに、2人で腰掛ける。

間には、昔はなかった空間があった。

付き合っていた頃とは違う……か。

その現実に、胸が痛くなる。

そんな私に気付かず、隆太郎は空を見上げた。



「言葉足らずでごめん。さっきも、峰を傷付けたかもしれない」

「……」