君のココロの向こう側

そんな事実が重くのしかかる。

もう一度溜め息を吐こうとした、そのとき。



「──峰!」



デジャヴ。

一昨日もこんな風にこの声に呼ばれた。



「……なんで」



振り向けない。

どんな顔をすればいいの。

今、何が正しいのかわかんないよ。



「峰!」



私に追いついた隆太郎が、逃げないようにか私の腕を掴む。

その手は昔と何も変わっていなかった。



「な、なんで追いかけてきたの?私は他人なんでしょ⁉︎」



堰が切れたように溢れ出す涙の止め方を私は知らない。