君のココロの向こう側

──“もう4年も前から”。

その一言は、私を突き落とすには十分な言葉で。

心臓を突き刺された気分だよ。



「……よし」

「……」

「カラーとかシャンプーは……」

「いい!」



カットクロスを自分で剥ぎ取り、隆太郎に投げつけた。

八つ当たりだってこと、わかってる。

なんて自分勝手で最低なんだろう。

だけど、私は。



「突き放すなら……なんでキスなんかするのよ」



その指に幸せを物語るなら、中途半端にキスなんかして、自分だけ終わらせないで。

別れの口づけひとつで終われる程簡単な想いじゃないの。

あんなキス、逆効果よ。



「隆太郎の馬鹿……!」



傍に置いてあった荷物を手に、レジへと向かう。

他の人の視線を気にしてる余裕なんてなかった。



「すみません、お会計お願いします」

「あ、はい……!」



近くにいた店員さんを呼び、会計してもらう。

すっかり短くなった髪に慣れなくて、ない髪を思わず耳にかけそうになった。