君のココロの向こう側

「……っ」

「吃驚したよ。もう会うことなんてないと思ってたから」



隆太郎の手で切られていく髪がハラハラとカットクロスへ落ちていく。

それを見てなんだか少し切ない、なんて。



「会いたくなかった?」

「……え?」

「私と再会したくなかった……?」



あれだけ傷付けたんだ。

そう思われてたって仕方なかった。



「……そうだな」

「……っ」



やっぱり、そうなんだ。

覚悟はしてた筈なのに、改めて面と向かって言われると……



「でも楽しかった頃のこと色々思い出せたから、よかったかな」



……え?

鏡に映る隆太郎を見ると、穏やかな目をしていた。

ばくばくと心臓が暴れる。

君はどうしてそんなに優しい顔をしてるの。

なんて、簡単には聞けないけど……。