「髪、切ってくれる?」



驚いた顔のままの隆太郎に、笑いかける。



「え、でも俺じゃなくて先輩の方が巧いし……」

「隆太郎がいいの。隆太郎に切ってほしい」



強くそう言うと、隆太郎は決心したように小さく頷いた。



「……今日は、どうなさいますか」



接客モードってやつ?

表情が切り替わった。



「えっと……バッサリ切ってください」

「どの辺まで?」

「一番長くて首くらい」

「畏まりました」



私にタオルとカットクロスを巻いた隆太郎は、私の髪を櫛で梳かしていく。