ライヴの開演時間は、あっという間にやってきた。 お客さんは顔なじみばかりだ。 午後6時ちょうど。 マスターがライヴのスタートを告げた。 あたしとサポートオジサン2人は、もうスタンバってる。 どんなに客席が近くてハコが貧弱だろうと。 どんなにステージが低くてスポットライトがみみっちかろうと。 ステージの上は、あたしの大好きな場所。 タバコと酒の匂いがするハコを、ぐるっと見渡す。 空調の乾いた風が、あたしの髪を正面から吹き流す。