マスターが、うざったい長髪を掻き上げて、タバコをふかした。 「いい録音ができる人間、味方につけときな。 腕のいいカメラマンもね。 なんなら、紹介するぜぃ」 あたしはようやく、脳天気な笑い方を思い出した。 せいぜい悩みのないおバカに見えるように、笑ってみせた。 「あざーっす!」