12月8日のラヴソング―拝啓ジョン・レノン様―



終わったことだから話せる。

あたしは、ギブソンのピックを弄びながら続けた。


「あの事務所がほしがってたのは、あたしじゃなかった。

流行りの歌を流行りの歌い方で歌えて。

ファッション程度にギターが弾けて。

まあまあ見映えがよくて。

自分のCDのジャケットを自分の写真で飾れて。

そういう女の子だったら、誰でもよかった。

絶対にあたしじゃなきゃいけないって必要性はなかった」

「ようこちゃんの個性や魅力を活かさないってわけ?」

「そーいうわけです。

なんか、改造費1億って言われた。

歌はここを矯正して、顔はここをいじって胸も入れて。

そのトレーニング費用と整形費用で1億」