12月8日のラヴソング―拝啓ジョン・レノン様―



「でもさ、ようこちゃん。

きみにはすでに、これだけの実力と実績がある。

若いのにさ。

確か、まだ20歳だったっしょ?」


マスターが話に首を突っ込んできた。

というか、店内のオジサンたちみんなが聞いている。

“人生相談に乗ってあげるよ”的なムード。

別にいらねーっての。

話したところで、何も変わんないんだし。


まあ、だから、話してしまえるのか。

変わんないし得にもなんない代わりに、害にも毒にもならないから。


「“まだ”とか言わないでくださいよ。

“もう”20歳なの」

「“もう”20歳?」