「なんかね、エステティシャンになりたいって。 専門学校に行きたいと言っててね。 手に職を着けるのは悪くないと思うけどね。 専門ってのは学費がバカにならないんだよね」 「ああ、確かに」 「美容系ってさ、この時代、むしろ多すぎるくらいなんでしょ? 専門職の資格を持ってて働き口がないなんて、困るんだよね。 つぶしが利かないよね」 「はぁ……」 「ようこちゃんは、どう? やっぱりプロのミュージシャンを目指してるの?」 「まあ……そうっすね」 「そうかあ。 うまいもんねえ、ようこちゃんは」