「……じゃあ、とりあえず、食べる?」
何が“じゃあ”なんだか、わかんないけど。
ジョージ少年は、ぶんぶんと首を左右に振った。
「帰る。
真夜中まであんたと一緒にいたら、おれ、止まらなくなると思う」
それ、どういうこと?
むしろ、気になった。
興味があった。
硬い表情でニコリともしないそいつが、どう化けるのか。
「何か頼めば?
食事してないっしょ?
おごるよ。
あたし、今だったら、お金けっこう持ってるし」
「自分のぶんくらい払う」
「遠慮すんなって。
あたしより年下でしょ?
名前、何ていうの?」
「ヒロキ」
「ふーん、そう。
よろしくね」



