12月8日のラヴソング―拝啓ジョン・レノン様―



「……じゃあ、とりあえず、食べる?」


何が“じゃあ”なんだか、わかんないけど。

ジョージ少年は、ぶんぶんと首を左右に振った。


「帰る。

真夜中まであんたと一緒にいたら、おれ、止まらなくなると思う」


それ、どういうこと?

むしろ、気になった。

興味があった。

硬い表情でニコリともしないそいつが、どう化けるのか。


「何か頼めば?

食事してないっしょ?

おごるよ。

あたし、今だったら、お金けっこう持ってるし」

「自分のぶんくらい払う」

「遠慮すんなって。

あたしより年下でしょ?

名前、何ていうの?」

「ヒロキ」

「ふーん、そう。

よろしくね」