12月8日のラヴソング―拝啓ジョン・レノン様―



そいつが口をパクパクしてるのを、あたしは観察していた。

ひととおり、ナンパだか演説だかが終わる。

あたしはおもむろに音楽を止めて、イヤフォンを外した。


「で、何だって?」


そいつは、その場にへなへなと崩れ落ちた。

あたしは再びi podのビートルズに意識を委ねる。

シャーリーテンプルの氷を、マドラーで弄ぶ。


仮称ジョージ少年は、あたしの向かいに勝手に座った。

いい度胸してる。

ビールでも頼むのかと思ったら、瓶入りのラムネだった。