10ヶ月前、あたしは初めて、その店を訪れた。 “PUBホワイトアルバム”。 夕暮れ時だった。 上下からライトアップされた、ユニオンジャックの看板。 汚い漆喰の壁。 タバコの匂い。 インディーズバンドのライヴ告知のポスター。 ドアベルを鳴らして、店に入った。 その空間は、例えて言うなら。 1960年代のリヴァプールにつながるタイムトンネルだった。