怒りのパワーで失速しがちだったが、
スピードは戻って1着で次にバトンをつないだ!!



「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ。ごほっ!」



誘導係に待機場所を案内されると、
あたしは膝から崩れ落ちた……。



「よかったな、猿。抜かれずにすんで。」



気がつくと冴木野郎があたしの目の前に佇んでいた!



むっ!



わざわざ嫌味言うためにここに来たのかよ?!


「俺の声援のおかげだな?」




………………………た、確かに。




それは否めないな………。




………………………………。





あぁ〜、ちくしょう!!!




仕方ねぇな!!




「……………ありがと。」


「っ!!?」


「な、なんだよ……?礼は言っただろ?!」


「あ、当たり前だ!この猿!!」


と言って、冴木野郎は元に居た場所へと戻っていった。



……やっぱり言うんじゃなかった。



冴木野郎の背中を見ながら、さっそく後悔していたあたしだった。