「あぁ~、我慢できない!顔洗ってくる………。うぇ。」


あたしは水道を探しに旅に出た。


「あ!美香!!待って!次の障害物競走、美香だよ?!ハチマキ忘れてるって!!」


と、優子があたしのハチマキを持って追いかけた。




シーーーーーーーン




そして妙に赤チームが静かだったことは言うまでもない。







美香と優子が出て行った後、
ヒロはその場から動けずにいた。


ヒロのとりまき達も、ヒロには話しかけられなかった。



と、そこへ。



「橘ちゃーん!いる??ってあれ?!冴木くん!?どしたの!?」


と柔道部の部長こと、片瀬緑が放心状態で固まっているヒロに声をかける。


「なんか左頬赤くなってるけど!?……って、あ!!わかった!さてはまた橘ちゃんにちょっかい出したのね~?やめときなって!橘ちゃん、冴木くん苦手みたいだからさ。」


「…………っ!」


部長に悪気はなかった。


「本当に嫌われる前に、身を引いたら?……あ!障害物競走の人!!ゲートに集合して下さいねーー!!」


部長は嵐のように去っていった……。




「…………………上等じゃねぇか。あのクソ女!俺にまた恥をかかせやがって………!!」


ヒロの怒りの沸点が近づいてきたっ!!


「俺を“キモい”呼ばわりしたこと、後悔させてやるッ!!!」



ヒロは一人、闘志を燃やしていた……。