後ろを向くと、愛しい人の姿が。
鹿野先輩だ。
ホッとして私は涙目になった。
それを見たからか、鹿野先輩は私の腕を掴んでいる先輩から離させてもらった。
「お前強引過ぎ」
「いてて。分かった、ごめんって」
ポーカーフェイスを崩さずに、掴んでいる手を強める先輩。
助けてくれた。
やっぱり先輩は冷徹なんかじゃないよな。
「何しに来たの?」
私の涙目が止まって、先輩は優しく話しかけてくれた。
「あの、お弁当箱をですね、か、返してもらいたくて…」
先輩にそんなに見つめられたら本当に死んじゃう!
助け船を出そうにも廊下には私の知っている人が誰一人いない。
それに先輩と一緒にいるからか、視線が気になる。
1部の女の先輩には、心なしか睨まれているような。
自意識過剰かな?


