「ちょっと、人の好きな人を冷徹呼ばわりやめてよね」
「だって、あの鹿野先輩だよ?」
ゆずはあのを強調させた。
確かにすこーし、いや結構冷たいけど、先輩なりに優しさはあって。
今日だって私に席を譲ってくれたし。
やっぱり先輩は優しいんだよ。
今朝の事を思い出しただけで、頬が赤くなってにやけてくる。
「おーい、ソラさーん。戻ってきてくださーい」
ゆずは私の顔の前でパンッと手を叩き、私を現実の世界へと導いてくれた。
「別に思い出すのはいいけど、ほどほどにしてよね。
私までそういう子って思われちゃうじゃん」
そうゆう子ってどうゆう子よ。
ゆずは口角を上げて私を見た。
うん。知ってたけど。
やっぱりゆずもゆずで意地悪だよな。


