そこにはやっぱり男の人がいた。

いかにも不良…みたい。

人に心を開けない私。

だけど全はそんな私を真っ直ぐな瞳で見た。

お姉ちゃんが虐待を受けていることも知っていた。

お姉ちゃんだけが辛いんじゃない、私だって辛い。

それを知ってもらいたくて私は長年隠してきた傷を見せた。

全と一緒に来ていた男の人は「なっ!?」って顔を赤くしていた。

けど全は顔色一つ変えないで私を見た。