そう、新奈とはあれからすぐに仲直りすることができたのだ。
同じ授業もいくつか取っているわけで、学校に行けばどうしても顔を合わせることになるので、そのときに勇気をもって謝罪しようと決めていた。
そして、寛人くんに助言してもらった通り、思っていること隈なく全部ぶつけてみよう、と。
それなのに、顔を見るなりふたり同時にゴメンを言いあったから、驚いた。
新奈のほうも、さすがに言いすぎた、って。
あたしもチョット言いすぎだったのは事実なので、同じように謝った。
「蒼依はさ、大和先輩とのことがあったからあんなふうに言うてくれたんやんな。ごめん。ホンマに……めっちゃヒドイこと言うた」
大和とつきあっていた(と言っていいのかわからないけど)とき、二股が発覚する前から、新奈は大和のことを胡散臭いとけっこう嫌っていて。
そして、案の定あたしがこっぴどく捨てられたときは、新奈があいつを殺しに行くんじゃないのかというくらいの剣幕で怒ってくれた。
「あたしも、ごめん。……でも、新奈にはどうしても、あたしみたいに傷ついてほしくないんだよ。わかってほしい」
「うん、わかってる。ありがとう。でもな、洸介のこと好きなんは……しゃあないねんか。好きでおるのたぶんめっちゃツライやろけど、そんなんわかってるねんけど、心は言うこときいてくれへんねん」
痛いほどにわかってしまう。
そういう気持ち、
誰かを好きになる気持ちは、自分じゃどうしようもできないものだということ。



