フキゲン・ハートビート



返事は思ったよりも早く来た。
濡れた髪をドライヤーで乾かし終わったら、もうすでに来ていた。

連絡不精なものだとばかり思っていたから、ちょっと意外。


『了解。』


味も素っ気もないメールだな。
想像はしていたものの。

ところで、なにに対するリョウカイなわけ。


『友達とはどうなった?』


それでも、そのあとに続いていた言葉に、不覚にも心がきゅっとせまくなってしまった。


ああ、新奈とのこと、気にかけてくれていたんだな。

なんだよ、半田寛人、やっぱりいいやつじゃないか。


『うん。仲直りしたよ。ありがとう。』


最初のメールよりもうんと“友人”っぽくなった文章に、我ながら満足しつつ、送信ボタンを押した。