ーーー 『ヒール』 『ヒール』 その夜から、気が狂ったように魔術をルヒルにかけまくる私がいた。 『キュア』 『ヒール!』 薄オレンジ色の光がルヒルを覆っては消えるの繰り返し、別段何も変わっていないルヒルの深刻な状態とは裏腹に、あからさまに減っている体力が汗となり頬を伝う。 「シャンス止めなさい…気が狂ってしまったのかい?村の人がお前の様子がおかしいとわしを呼びに来たぞ」 古ぼけた杖と呼ぶにはお粗末すぎる杖を私から奪い、ノックもなしに部屋に入ってきたお医者様は咎めるような目で私を見た。