心に悪夢を潜ませ


 「リリー、怖いことは終わった。家へ帰ろう。あ、エリシアもな。今日の夜後は和は何をたべようか」

 「…ダン?」

 お医者様の問いかけに反応せず、エリシアの胴体から離れた頭を膝の上に乗せ、ダンおじさんは柔らかく笑っていた。

 「怖かったな。でも無事でよかった。さあ、早く帰ろう」

 無事?

 無事じゃない、どう見ても二人共死んでる。

 エリシアは即死だ、リリーさんだってどうみても生きていない。

 血だまりが見えていない?

 「ダンおじさん?何言って」

 「…シャンス、そっとしておいてやろう。おそらく気が動転していて現実をうけいれられないんだろう」

 お医者様は白衣をただし、クローゼットからルヒルを抱きかかえベッドに寝かせた。