「もって三日、ですな」

 白衣の村医者が静かに告げた。

 古ぼけた壊れかけのベッドに寝る弟のルヒルは、笑顔で言った。

 「大丈夫だよ、姉さん。僕全然苦しくないんだ」

 痩せ我慢だとは、額の大量の脂汗と蒼白な顔面でわかる。

 なによりも、痩せこけた頬が痛ましかった。

 「あの!打つ手はないんですか?わたし…、どんなことでもします!弟を、ルヒルを助けたいんです!」

 家と言うにはお粗末すぎる小屋を出たお医者様を追いかければ、顔を伏せたお医者様が私のつま先を見ながら言った。