でも、私は仕事が遅い。 一生懸命やったつもりでも、ミスをしたり人の倍の時間がかかってしまう。 『鈴木さんはいつも丁寧に仕事をしてくれて嬉しいよ』 と上司はフォローしてくれる。 そんな先輩の優しさでさらに申し訳ない気持ちになってしまう。 周りの皆は、てきぱきと仕事をこなし退社の時刻ぴったりに帰っていく。 私は、皆と同じ量の仕事なのに残業しないと終わらない。 『じゃあ、終わったら机の上に置いといて。無理しないでね』 上司はそう言葉を残すと、帰っていった。