目がさめる。こんどはビルの上よりも速い風を感じた。
「あ…の」
あたしは先生にお姫さまだっこをされていた。
先生はあたしをだいたままビルの屋上をとび渡る。
「ああっ!あのっ!先生!」
あたしは先生にお姫さまだっこされている事が一気にはずかしくなった。
「疲労で意識を失っていたと思われます。今は千賀家の屋敷に向かっています。頭領にあなたの無事を報告しなければなりません」
「あっ、ありがとうございます」
「これからは人目に付くところで修行してください。たまに美しい忍者を狙う者もいるんですよ」
「ごめんなさい…」
「白雪は母上に似て美しくなるでしょう。要注意ですよ。それと、僕はいつでも修行に付き合うので連絡してください」
「はい、先生」
先生に少しおこられたあたしは、少し気を落とした。


