ファミリー

白っぽい明かりの中、小動物を思わせる
敏捷な足取りで奥へと飛び跳ねていく。

ふと最初に思った年齢より、もっと幼い
かもしれないと思った。

かわいらしい子だ。

本当はまだ親に甘えていたい年頃だろう。

それなのに一人で、こんなところにいる。

彼が持つかろやかな雰囲気のせいなのか、
この世ならぬ存在を前にしているはず
なのに、依然高森に恐怖感はない。

脳裏に再び、いわくありげな沖田の言葉
がよみがえった。

『それからこいつが一番重要なんですが、
絶対にやっちゃいけないことがある』

やっちゃいけないこと――ああ、そうだ。

そんなことを言われたっけな。