私の名前は青野 雪(あおの ゆき)。

家の事情で小学五年生の夏、ここ、杏町に転校してきた。

どっ、

「っきゃっ!」「もう、雪、またぁ?」ダンボールにぶつかり、こける。

まぁ、本日四度目なので、お母さんが「またぁ?」と言うのも当然といえば当然だけど。

「あっはっはっはっ」手伝いに家に来た叔父の夏広(なつひろ)叔父さんが、

頭の上で大笑いしている。「雪ちゃんはいつ見てもドジだなぁ」

むっ、そういう叔父さんだって、けっこうドジだぞ、失敬なっ!