「瀬川…?」
「宮野が言ったこと、僕も前々から不思議に思っていました。
宇佐美先輩、先輩と呼ぶべきなのは僕の方です。
先輩は僕のこと、先輩と呼ばなくて良いです」
あまりの長文に、私だけでなく、宇佐美兄弟も和歌奈さんも驚いていた。
長文なだけでなく、声量も大きい。
…瀬川、こんな声しているんだ……。
いつも小さくて聞こえなかったから。
凛々しくて意思のこもった強い発言に、思わず圧倒された。
「…でも、俺にとって、瀬川様は先輩だから」
ニコッと優しく宇佐美先輩は笑う。
先輩らしい、かっこいい笑みだった。
「瀬川様が嫌でも、俺は先輩って言い続けるから。
てかずっと先輩って呼んでいたから、慣れちゃったよね」
先ほどまでのかっこいい笑みは消え、アハハッと楽しそうに宇佐美先輩は笑う。
先輩らしい笑みも良いけど、宇佐美先輩には楽しそうな笑みが似合うなぁ。
「そうだ。
そろそろ着く頃かな。
じゃ、俺は少し寝るから。
おやすみー♪」
着くから、と言いながら寝始める宇佐美先輩。
和歌奈さんに聞くと、いつものことだそうだ。
スースーと寝息をたてながら寝る宇佐美先輩は、小さな男の子みたいで凄く可愛かった。


