底知れぬ恐怖に陥った私を追いつめるように、雨が降りだしてきた。

…何でこんな時にぃ。

徐々に、視界が揺れて行く。

…泣くなんてぇ。

うぅ…最悪!




ザッ!

「きゃああああああっ!!」



誰かが現れる音と、私の叫び声は、同時だった。




「…ッうるせぇ!
叫ぶんじゃねぇ、馬鹿が!!」

「ふぇぇっ!?」



急いで前を見ると。






え?





「せ、瀬川っ!?」



目の前には、迷惑そうな顔をした瀬川がいた。

目と目の間に皺を作り、本当に迷惑そ~な顔。



てか、今の瀬川!?

瀬川って敬語で、冷静に話していなかったっけ!?



うるせぇ?

叫ぶんじゃねぇ?

馬鹿がっ…?







…。

本当に瀬川?