「まぁ。
瀬川様も土木沢高校特進クラスでしたか」
「………」
「そういえば、コウちゃんのお兄様が慕っているとはお聞きしましたが」
「………」
「生で瀬川様に会えるなんて…。
土木沢高校特進クラスに入学した甲斐がありましたわ」
「………」
和歌奈さん、一方的に話している…。
コウちゃんこと宇佐美光一くんは、苦笑いで和歌奈さんと瀬川を見ている。
何故宇佐美光一くんは“くん”付けで、瀬川は呼び捨てなのかというと。
瀬川は初日から私を遅刻にした、極悪人だからだ。
くん付けなんてしてあげないんだからっ!!
「そうですわ!
ねぇカナコさん、瀬川様、コウちゃん。
よろしければ、同じ班になりませんこと?」
え?
和歌奈さんと宇佐美くんと瀬川と?
私みたいな人が同じ班で良いのかな?
私の疑問をよそに、和歌奈さんは紙に班員を書いて行く。
…もう決定らしい。
まぁ仲良い人もいなかったし、良いかな。
…瀬川と同じ班ってことは許せないけどね。


