☆カナコside☆




それは、突然のことだった。




「七音、ごめん。ちょっと待って」



付き合って1週間経ったある日のこと。



下駄箱に、小さな封筒が入っていたのだ。

表にも裏にも、何も書いていない。




「…何これ」

「貸してください」




サッと封筒を私の手から取った七音は、それをひっくり返してみて、封を開いた。

そのまま私に見えないよう、中に入っていた手紙を読む。




「………」



そしてそのまま。

―――ごみ箱へポイッと投げ入れた。



「ちょっ、七音!?」

「気にしないで良いですよ」



フイッと校舎を出て行く七音。





私は気になって、その封筒をごみ箱から取り出し、ポケットへ無理矢理突っ込み、七音を追った。