「桜ちゃん」

「な、何ですか?」



ガシッと手を掴んで、グイッと顔を近づける。




「彼氏とか、いる?」

「い、いませんけど…」

「俺と付き合わない?」

「えっ!?」

「俺、桜ちゃんのこと、大事にする」

「…嫌です」

「何で?」

「宇佐美先輩、クラスや学年で話題になっています。
女好きで、色々な女の子に手出しているって」




確かに。

うん、否定はしない。

学年関係なく、手を出しているからな俺は。





「そんな人と付き合えません。
他を…当たってくれませんか?」

「桜ちゃっ…」



俺の手を振り払い、桜ちゃんは行ってしまった。




アァ…俺の女神……。

アァ…俺の聖女(マリア)……。

何で行ってしまう…。




「どこにいるんだ…。
俺の運命の人は……」